大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和44(あ)1252 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

なお、所論のうち捜査官から自白を強要されたとの点は、憲法三八条違反の主張と

解し得られないでもないが、本件記録を検討しても自白強要がなされたことを疑う

べき証跡はなんら認められないところであるから、憲法違反の主張としての前提を

欠き、適法な上告理由にあたらない。

弁護人高垣憲臣の上告趣意について。

論旨第一点は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあた

らない。同第二点は憲法違反をいうが、所論はいずれも実質において単なる訴訟手

続違反の主張に帰し、適法な上告理由にあたらない。

なお、弁護人の所論第二点の(A)(B)にかんがみ、職権により調査すると、

証拠調の請求は公判期日前においてもなし得るところであるから(刑訴規則一八八

条参照)、本件第一審における所論弁護人の証拠申請は適法になされたものという

べきである。従つて、これを別異に解した原判決の判断は誤りであるといわなけれ

ばならないが、原審においては右弁護人申請の証人が取調べられているのであるか

ら、右の誤りについては刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。また、

原審においてなされた公判期日外の証人尋問に被告人が立会つていないことは記録

上明らかなところであるが、右証人尋問の施行日時、場所等は被告人があらかじめ

了知していたところであること、右証人尋問には弁護人が立会つていること、右証

人尋問調書はその後の公判期日において適法に取調べられたが、その際被告人、弁

護人ともなんら異議を述べていないこと等の諸点にかんがみれば、右証人尋問の手

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続について刑訴法四一一条を適用すべき違法があるとは認められない。

弁護人東亮明の補充上告趣意は、提出期間経過後に提出されたものであるから、

これに対しては特に判断を加えない。

そのほか本件について刑訴法四一一条を適用すべき点は認められない(原判決の

認容する第一審判決の事実認定に誤りがあるとは認められない。また、本件記録に

現われたすべての情状を考慮しても、原判決が被告人を極刑に処した第一審判決を

是認したのはやむを得ないところであると認められる。)。

よつて、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官 富田正典 公判出席

昭和四五年二月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 色 川 幸 太 郎

裁判官 村 上 朝 一

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